理と枡(マス)の術式
幻想自警団には、入団のための自己参入儀式というものが存在しているのだが、その準備的な術式として、「理と枡(マス)の術式」というものが存在している。
これは、幻想自警団の自己参入儀式を行うだけの資質があるかどうかを調べるための術式であり、これに合格しないと幻想自警団には入団できない決まりとなっている。
故に、この術式を行うことでその参入希望者の進退が決定されることもある重要な術式である。
この術式にはいわゆる<魔方陣>が使用される。<魔方陣>とは、縦、横、斜め(対角線)の上の数字を足し合わせると全てが同じ数になる、というあの魔方陣である。
幻想自警団で使用する魔方陣は以下のものである。数字は必要性があって記号化されている。記号の意味に従って数値を計算してみて頂きたい。全て「5」になるはずである。
5は、幻想自警団の考え方では、「東西南北」にその知覚者である自分自身を加えた数として認識される。つまり、術者の知覚する世界(顕現した世界)を象徴する数であると考える。イメージとしては、ピラミッドの頂点に一人で立っている術者などを想像すると良い。
魔方陣の各方位には、四聖獣が配置されている。これらは一年を四つに分け、それら各三ヶ月ごとの期間を司る季節(四季)の象徴でもあると考える。
この魔方陣を紙に書き写し、それを手に持って術式を行う。
その他、トランプ(プレイングカード)を一組と、あれば計算機(電卓)を用意すること。
*記号の意味*
○=0
・=1
十=2
*=3
*魔方陣*
玄武 ┌─┬─┬─┬─┐ │十│○│十│・│ ├─┼─┼─┼─┤ │*│○│十│○│ 白虎 ├─┼─┼─┼─┤ 青竜 │○│十│・│十│ ├─┼─┼─┼─┤ |○│*│○│十│ └─┴─┴─┴─┘ 朱雀
上記魔方陣を紙に書き写し、カードとして手に持っておく。
*宿命数の算出*
まずは宿命数を算出しなくてはならない。この宿命数が術者の資質を判定する材料になる。もちろん、これが基準に満たされない場合には、残念ながら幻想自警団に入団することはできないので、その際には大変に残念な話なのだが、それが運命だと思って諦めてもらうしかない。
*手順1*
生年月日を単数変換する
例えば、1981年9月3日生まれなら、それぞれの数字を一文字ずつ分解して片端から足していく。
1+9+8+1+9+3=31
結果が二桁になったら更にそれを単数変換する。
3+1=4
まずこの数字をメモする(この数字をAとする)。
この場合、数字Aは「4」である。
*手順2*
上記で算出した数字をトランプから選ぶ。マークはハートを選択する。それを片手に持ち、次のように唱える。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。三つの世界の現し身(うつしみ)よ、我が宿命の元に現れよ」
唱えたら、手に持ったカードを裏返して場に伏せ、代わりに他の同じ数のカード三枚を取り出す。
上記の例であれば、ハートの「4」を裏返して場に伏せた後、スペード、クラブ、ダイヤ、の「4」を取り出す。
次に、以下のように唱える。
「我、我が分身を知覚せり」
そういってスペードのA(エース)を取り出し、手元の三枚に加える。
更に以下のように唱える。
「一つとなり、三界を巡れ!」
手元のカード(四枚のカード)の数字を全て足し(エースは1とする)、それを三倍する(三界を巡らせる)。その数字をメモする(数字B)。
以下のように唱える。
「我が現し身よ、我に還(かえ)れ!」
数字Bから3を引き(三界の力を引く)、更にその一の位と十の位の数字を足して数字が縮んで行くところを想像する。
ここで算出された数字が「宿命数」である。
以下のように唱える
「我、我が宿命を知覚せり」
この数字を忘れないようにメモする。
*手順3*
自分の生まれた月から、対応する聖獣を選択する。
註:以下の月は新暦。
魔方陣を手に取り、自分の生まれ月を司る聖獣が上に来るようにして手に持つ。
その状態で枡目の一番左上を1として、そこから順に右に向かってすごろくの要領で宿命数の数だけ枡を進める。右端に来たら、一段下がり、再び左から数える。止まった場所の記号(数字)を見る。
*結果判定*
○(0)になった方=おめでとう。貴方は幻想自警団に自己参入する資質が有る。
それ以外の方=残念だが、幻想自警団のメンバーになる資質は無いので諦めよう。
以上である。
この術式がなぜ「リトマス」と呼ばれるのかに気が付いた方は本当に幻想自警団入団の資質を持っていることを付け加えておく。
盲信は自殺と同じ。それが幻想自警団の哲学である。
05/9/11