この術式は自分の肉体を自分自身で制御するための術式である。その制御は日常の意識的な制御ではなく、無意識的な動作を制御することを目的とする。
この術式を行った後、自己の無意識的な動作を自分の好みに変更できるようになる。
自分の中で好ましくない癖や行動パターン、ひいては<免疫力>など、自分の意識では本来調整できない身体的反応や動作をある程度まで望み通りに変更できる。
*発動条件*
無意識の行動や病気などの症状を自分の望む形に変更したり、調整したりする必要があるシチュエーションで発動させる。ただし、病気の症状の緩和などは、結果として深刻な結果を招く可能性があるので基本的には使うべきではない。その判断は各自に任せるが、その責任は自分にあることを忘れてはならない。
解説:上記準術式で重要なことは、「言葉で動作を制御できる」ということを理解することにある。この前提は、以後の全ての術式の基本となるので、決して忘れてはならない。
*例*
「私は 時々刻々と 呼吸が楽になっていく」
「私は あらゆる面で 向上している」
「私の肝臓は 日に日に 健康になっていく」
註:上記のステートメント(自己に指示をする言葉)「私は 日に日に あらゆる面で 良くなっていく」は、日常的に使うことをお勧めする。
註:以下でも説明しますが、即効性を求めるのなら、語尾は「いく」ではなく、「いる」に変えてください。(2006/02/13追記)
ステートメントを作成する場合は目的に応じて時制を変える。即効で効果を求める場合は<現在進行形>や<現在形>にしなくてはならない。つまり、「〜している」とか「私は今〜だ」のようなものにする。徐々に変化を求めるなら「〜になっていく」など、未来をイメージするステートメントを使うこと。また、ステートメントは症状を感じる限り繰り返し発声すること。それによって<疲れる>ことにより<良く眠れる>ことも、この術式の効果である。それと、ステートメントは必ず<肯定文>でなければならない。「〜をしてはならない」とか「〜ではない」などの<否定文>は<効果が無い>ので注意せよ。例えば気分を良くしたいのなら「気分が悪くはならない」と言うのではなく、「気分が良くなる」という<肯定文>をステートメントに使うこと。
この術式の問題点は、自己制御が過度になると病気の症状をある程度消すことができてしまうことにある。常識であるが、病気の症状とは病気を<意識される自己>に知らせるために必要なシグナルであって、簡単に消してしまって良いものではない。非常時や症状が全く無意味であると感じられる場合を除いては、病気の症状の緩和にこの術式を使うべきではない(参考:ドラえもん/てんとう虫コミックス25巻「ヘソリンガスでしあわせに」等)。
ちなみにアチョ夫は自分のミスから有機系溶剤を吸い込んで呼吸困難に陥ったとき、「私の 気管支と肺の内部は浄化され 呼吸はとても楽になる」というステートメントを使って呼吸困難を緩和した。この場合はアチョ夫が精神的に疲弊しきっていたので仕方なく、アチョ夫自身の判断で術式を使用した。しかし、怪我などはステートメントで<治るわけではない>ので、その後はちゃんと病院で診察を受けて治療する必要がある。尚、アチョ夫は現在、多少の後遺症はあるものの普通に呼吸をしている。
この術式にはあるひとつの大きな利点がある。それは、この術式を行っている最中は、その術者は<愚痴を言わなくなる>ということである。<愚痴>は、自分を悪い状態に導くマイナスのステートメント(自己への指示)である。また、それを聞いた人間もそのステートメントの影響を受けて生理機能を低下させてしまう。これを避けるために幻想自警団では自分の調子が悪い場合は上記術式を行い、他者に愚痴(つまりマイナスの暗示)を聞かせないように心がける。これだけでもこの術式を行う価値は高いと言うことができる。
2005/2/23