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幻想自警団通信文Z

奥義記憶喪失術

ここで紹介する術式は<記憶術>ではない。<記憶喪失術>なので勘違いしないように。

効果・効能

*効果*

30秒前に考えていたことを完全に喪失する。

*効能*

30秒前の悲しい出来事などを忘却する。また、必要でない感情を30秒で消失させる。その他、記憶喪失の効能全て。

術式

*発動条件*

不快な気分にとらわれた時など、現在の記憶を喪失する必要を感じたシチュエーションで発動させる。

*手順*

  1. 視線を走らせ、最初に目に付いた物体(抽象概念ではなく<物品>であること)に注目する。
  2. その物品のディティールを克明に脳裏に描く。簡単に言うと、スケッチブックにその物品の絵を描くつもりでそのディティールの細部を脳内に再現する。ただし、その間五秒。五秒以上物品に注目してはならない。集中せよ。
  3. 五秒後、即座に、新たに視線を走らせ再び目に付いた物体に注目し、「手順2」を繰り返す。
  4. 上記作業を5〜6回繰り返す。結果として30秒ほどの時間を要する。
  5. 記憶が喪失していることを<確認しない>ように注意してその状態を維持する。
  6. 術式終了。

問題点

この術式には一つだけ大きな問題点がある。それは、術式を行った後、現在自分がなぜこの術式を行ったのかを忘却している点である。術者はこれが気になって再び記憶を蘇らせて、術式を失敗させてしまうことがある。

これを防ぐには初めにあらかじめメモなどに「私は今、とても良い気分だ。さあ次に行こう」などと書いておき、術後にそれを読んで意識を過去に戻さないように気をつけるなど、各人でなんらかの工夫をこらす必要がある。その際の工夫は各個人に任せる。皆、自分に適したやり方を開発せよ。

2005/2/23

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