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AKIBA MUSIC(アキバミュージック)

<AKIBA>あるいは<AKIBA MUSIC>と称される一連の音楽について、ここで解説する。まずは別章の「ネットラジオ」を見て、<AKIBA MUSIC>が聴けるようにPCを設定してもらいたい。その後に以下を読めば意味が理解しやすいだろう。

註:現在「ネットラジオ」の章は一時的に閉鎖中です。ご了承下さい。

06/02/28追記

解説

基本的に「ネットラジオ」の章で紹介している設定によって流れてくるような一部の楽曲のことを総称して<AKIBA>あるいは<AKIBA MUSIC>と呼ぶ。

註:現在「ネットラジオ」の章は一時的に閉鎖中です。ご了承下さい。

これらはかつて<アニソン>というジャンルで存在していたものであるが、現在のミュージックシーンからするとその呼び方はもはや時代遅れになりつつある。というのは、現在のいわゆる<アニソン>はアニメのみならず、PCやコンシューマゲーム機のゲームや、いわゆる<ギャルゲー>などからの発表、販売も活発になされており、もはや<anime>の枠には納まり切らなくなって来ているのである。そこで新たなミュージックシーンの総称として<AKIBA>が提案された訳である。

<AKIBA>が提案された理由は何も上記のような便宜上の意味合いだけではない。本来、<アニソン>と呼ばれるものは、当然ながらアニメがあってこその<アニソン>であった訳である。しかし、昨今のゲームの主題歌を含めたアニソン状況を俯瞰(ふかん)すると、それはもはや古い考え方である。いまやアニソンの世界は、そもそものアニメが無くても十分に聴き込める、すなわち音楽として十分に<一人立ち>している高いレベルの楽曲が数多く市場を席巻している。これをアニメという狭い枠に閉じ込めておくのはいかにも惜しい。そのためかつての<アニソン>という狭い枠に閉じ込められていた楽曲を、一度アニメから切り離し、<音楽>として再評価しよう、という考え方から新たに提案されたものが<AKIBA MUSIC>なのである。

アニメソングというと、そのアニメのイメージ(多くは偏見だが)から楽曲を聴く前にそれを敬遠するという人たちがいるのも確かである。しかもそれは一般人に限らず、アニメファンの間でさえ、好きなアニメ、自分の趣味に合うアニメ、または好きなゲーム以外のものには全く興味を示さない、という場合さえあり、広くその音楽性を評価するのは困難を極める。かくいう私(アチョ夫)もそのうちの一人であって、かつてはギャルゲーの楽曲などには全く見向きもしなかった人間のうちの一人である。しかし、私の考えは<KOTOKO>の出現によって完全に打ち砕かれてしまった。現在私は<I've>のアルバムを物色している。これはアニメやゲームの音楽を、まさに<音楽>として聴いているということである。

例えば、「コメット☆さん」「ドールランド☆ファンタジア〜スーパードール リカちゃん」「アカネマニアックス」「ギャラクシーエンジェル」などとアニメやゲームのタイトルを並べられて興味を示す人間がどれほどいるだろうか。私はこれらは全てノーチェックである。しかし、そのせいでその中で使用されている楽曲を知らないままに時を過ごし、後になって「この曲、何て曲だろうか」と右往左往した結果、これらのアニメに辿り着く、という逆向きの努力をしたりすることになる。これらは全てアニメやゲームとその楽曲が<一蓮托生(いちれんたくしょう)>の運命共同体であるために起こる悲劇である。ここでアニメやゲームのタイトルから楽曲を完全に独立させて純粋な音楽として評価できれば、それはその楽曲の正当な評価にも繋がり、更にはそこからアニメやゲームへのおかしな偏見も薄れていくのではないだろうかと思われる。

以上の理由から、現在のアニメ、ギャルゲー、PCゲーム、ビデオゲーム、等に使用される音楽(主に主題歌や挿入歌などの歌曲)を<AKIBA>と総称することをここに提案する次第である。

細かいルール

<AKIBA>という音楽ジャンルを立ち上げようとすると、ひとつの問題が持ちあがる。それは、アニメやゲームに使われた曲、というルールでは、どう聴いても<AKIBA>らしくない楽曲もそれに含まれてしまう、ということである。

例えば「ORANGE RANGE」はどう聴いても<AKIBA>には分類できない。しかし、アニメの主題歌を歌っている以上<AKIBA>なのではないか、という議論が起こるだろうことは想像に難くない。そこで、<AKIBA>と呼んでも良い楽曲がどういうものであるのか、ということを提案者の一人として一応<明文化>しておきたいと思う。ただしこれはとりあえずのルールであって、絶対ではない。場合によって異なることを理解した上で、とりあえずのルールとしてこれをもとに<AKIBA>について考えて頂ければ幸いである。

1:中毒性がある(センチメンタリズム)

基本的にメジャーなレーベルは無難なラインを走るため、極端な楽曲にはなりにくい。外れてもそれはかなり限られた枠内の脱線であってほとんど<予定調和>の枠内である。しかし、
<AKIBA>は聴く者に色々な意味でショックを与える。しかもその<ショック>はヘビメタやパンクなどにみられる<破壊的>なショックとは違い、ある意味、非常に<センチメンタル>なショックである。そこに独特な中毒性が生まれ、アニメ終了後数十年経過しても歌い継がれたりするような<麻薬的>な魅力が生まれる。つまり<AKIBA>は基本的にセンチメンタルな中毒性を持った楽曲だと言える。また、歌手の声自体に麻薬的な魅力がある場合も多い。

2:ありえない(ファンタジック)

そもそもがアニメやゲームなどの架空の世界をテーマとした楽曲がほとんどであるため、その世界観は現実に有り得ないものとなることが多い。それを現実世界に接地させるインターフェイスが<センチメンタリズム>だったりする。つまり、<AKIBA>は架空の世界を人間の幻想の世界に接地させる事でリアリティを生んでいるという、非常にファンタジックな音楽なのである。そういう意味で、もしかすると<AKIBA>は<クラシック音楽>の<大衆化>である、というイメージもある意味では成立するかもしれない。

3:作品の世界を感じ取れる(ストーリー性)

元がアニメやゲームの主題歌であるためそのストーリーなどをそこに含んでいるか、歌詞がキャラクターの心情を表したものになっているのが基本である。ただ、アニメなどのフィクションの世界から独立して楽曲を提供している場合もあり、一概には言えないのも確かである。問題は、そこに歌われている内容がアニメやゲームの世界観を乱していないか、あるいはズレがないか、ということである。一般のメジャーな歌手がアニメの主題歌を歌った場合、たいていその世界観がズレているものである。ここが一番一般の音楽と<AKIBA>とを画している部分であり、<AKIBA>を<AKIBA>たらしめる部分かもしれない。つまり、音楽を聴きながらストーリーを想像したり、感じたりすることができるかどうか、という部分がポイントなのである。もちろんこれは何も歌詞に限ったことではない。その声や歌い方、独特なメロディなどでも世界観を表すことがあることは<AKIBA>を聴いた事のある人間ならば良くわかることであろう。

以上のようなことをとりあえずの指針として<AKIBA>を考えて頂ければ良いのではないだろうか。もちろんこれが絶対ではない。最終的には各自で判断してもらいたい。

運用上のルール

以下では<AKIBA>という言葉の使用の際のルールを解説する。これに基づいて<AKIBA>という言葉を使用して頂きたい。

1:発音は「アキバ」。
ただし、そこに「系」をつけて「アキバ系」とは言わない。

例えば「モータウン」に対して「モータウン系」と言った場合、それは純粋な「モータウン」ではなく、「モータウンに近い」音楽を指すのは明らかだ。その為、<AKIBA>についても、「アキバ」とは発音しても、「アキバ系」と言ってはならない。それは<まがい物>を指し示すときに使う言葉である

08/04/28追記
これを書いた当時はアキバ系という言葉に違和感があったのですが、<AKIBA MUSIC>が
オリコン上位に入ることも珍しくなくなった今では、アキバ系と称してもいいと思います。

2:表記は<AKIBA>あるいは<AKIBA MUSIC>とする。

「アキバ」を「AKIBA」とアルファベット表示する理由は、「アキバ」とカタカナ表記してしまうと、その他の「アキバ」と混同される恐れがあるからである。特に「アキハバラ電脳組」のファンと被る可能性が高く、ややこしいのでこちらでそれを回避するために表記は<AKIBA>あるいは<AKIBA MUSIC>としてアイデンティティを守る。

3:あくまで音楽ジャンルとして使用する

<AKIBA>をれっきとした音楽ジャンルとして扱う。感覚としては<モータウン>などと同じように使う。これによって一般の人間の偏見を緩和し、アニメやゲームの世界でメジャーな歌手を最終的にはオリコン歌手と<同等の立場>に導く(オリコン歌手に導くという意味ではない)。その際、アニメやゲームの話は避け、音楽だけを評価するようにする。実際、メジャーで十分勝負できるアーティストは<AKIBA>の世界にいくらでもいる。問題は彼女(彼)らが特定のアニメやゲームのイメージに足を引っ張られているということである。そういったイメージを排除し、独立した音楽として<AKIBA>を世の中に広め、<AKIBA>のアーティストを純粋な音楽の土俵に上げることを目指し、<新しい音楽ジャンル>である<AKIBA>を世の中に浸透させることを目指す。

もちろん、だからと言ってアニメやゲームを軽んじるわけではない。<AKIBA>で音楽性と同時に重要なのはストーリー性やキャラクター性であり、その楽曲を聴く者の<幻想を増幅させる>ことにあることは言うまでも無い。<AKIBA MUSIC>にそういった<幻想>が無くなってしまったら、それはただのマイナーな音楽である(逆に言えば、アニメ的幻想を喚起できれば映像の無い一般の楽曲も<AKIBA>になりうる)。目的は、こういった<幻想>を喚起させる<AKIBA>という新しい音楽を世に広めることである。

以上のようなことをとりあえずの指針として<AKIBA>という言葉を運用して頂ければ良いのではないだろうか。もちろんこれが絶対ではない。最終的には各自で判断してもらいたい。

追記

上記ではゲーム、アニメを主として取り扱ったが、もちろん特撮も<AKIBA>である。だが、音楽性から考えると枠にはまり過ぎていて、まだ未発展な部分があるかもしれない。もちろん、そこが良いとも言えるのだが。

追記2

上記では歌詞がある楽曲を主に取り扱ったが、インストメンタルや未使用BGMなども物により<AKIBA>に入ると思われる。基準はやはりセンチメンタリズムかファンタジックさ、ストーリー性など、<幻想の喚起力>であろう。各自で判断して頂きたい。

2005/6/9

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