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幻自的タリズマン製造法

ここでは幻自的なタリズマンの製造法を公開する。

タリズマンとは

タリズマンの製作を始める前に、タリズマンとは何かを解説しておく。

「タリズマン」とはエネルギーを蓄電する電池のようなもので、望む時、望む場所で特定の精神的なエネルギーを術者の心の内に充電(再現)するために利用される、いわば魔法の護符である。ただし、電池である以上、充電する必要があり、その手間を惜しんだり、あるいは手順を間違えるとその機能を失うのでその製作には注意が必要である。

以下にその具体的な製造方法を示すので、強い意思を持って製作に取り組んで頂きたい。タリズマンのパワーの強さは全て製作段階に引き出された術者のパワーで決まる。逆に言うと、精神的エネルギーの弱い者が作ったタリズマンは弱いタリズマンになる。基本的にタリズマンはその使用者が自分で作ったものしか有効に働かない。例外的に他者の作ったタリズマンが力を発揮するケースは、そのタリズマンの使用者にとってタリズマン製作者が<カリスマ>であった場合とか、<恋焦がれる人物>であったとか、タリズマンの使用者がその製作者に対して<特別な気持ち>を抱いていることが絶対条件となる。つまりタリズマンの使用者に心理的な影響を与えない<赤の他人>が作ったタリズマンは効果も弱いということである。タリズマンは常に自作を心がけよう。

愛情のタリズマン製造方法(製作手順)

ここでは愛情を精神の内に呼び起こすタリズマンの作り方を解説する。

まず初めに準備しなくてはならないものは日常においてタリズマン製作者の胸中に愛情を呼び起こす人物なり、動物なり、呼び起こしたい感情を喚起させる対象物である。ここで呼び起こされる精神的なエネルギーを物品に定着させるのがこの術式における根幹のテクニックである。タリズマンに充電されるエネルギーはその製作者の精神エネルギーに依存するため、この段階で愛情を呼び起こせない術者は愛情を呼び起こすタリズマンは製造できない。ここに術者の「実力の差」というものが如実に現れる。愛情を否定する者に愛情を喚起させるタリズマンは作れない。また、使用できない。

次にやるべきはそのエネルギーを溜めるための器を探すことである。この器は物品(物質)であれば何でも良い。ただし、結果的にその物品がタリズマンとなるので、持ち運びに便利なものを選ぶように。

最後に、ここが一番肝心なのだが、その愛情を喚起する何者かに、その物品を関連付けする。関連付けとは、つまりその物品に集中した際に、その愛情の対象が想起されるようにするのである。それも、できる限りリアリティを感じさせるようなイメージが望ましい。以下にその具体的な手順を例を挙げて説明するのでこれを参考にタリズマンの製造を行って欲しい。ポイントさえ押さえればいかなる感情も思いのままに操れるようになるだろう。

愛情のタリズマン製造法の例1

1:術者Aは自分が好意を持っている異性Bをさりげなく映画に誘う。

2:二人で映画を観て、異性Bへの自分の愛情を楽しむ。

3:映画の後、そのチケットの半券を異性Bに一度握ってもらってから、それを大切に持ち帰る。

4:その半券をパウチ等で保存し、黒いケースに入れて持ち歩く。以後、愛情を喚起させたい場合はそのケースから半券を取り出し、見詰め、異性Bのイメージを想起してその愛情で胸を満たす。

愛情のタリズマン製造法の例2

1:大好きなタレントの写真などをケースに入れて持ち歩く。

2:愛情を喚起したい状況でその写真を取り出し、愛情で胸を満たす。

以下、どんな精神状態でも、物品と関連付けできればそれをタリズマンとして利用可能。ただし、術者の気持ちが「萎えた」場合、タリズマンのパワーも大幅に減衰する。その際にはタリズマンへの再充電や新しいタリズマンの製作が必要となるだろう。また、万が一不快な感情などをタリズマンに充電してしまった場合は残念だがそのタリズマンは有害なので破棄しよう。普通に棄てて構わないが、気になる場合はその物品の上で<鎮魂の十拍>を行ってから棄てれば良い。高価なものを器にしてしまった場合はそれを売っても良い。以後はそのことを<記憶喪失術>で忘れ、新たなタリズマンの製作に取り組めば良いだろう。最後に、効果的に製造されたタリズマンは他人に見せてはいけない。他人のコメントなどがその物品に充電されてしまうとせっかくのピュアなエネルギーが汚れてしまうからである。タリズマンは自分一人でこっそりと利用するべきである。

以上である。

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