神話の中の神々
神話の中の神々とその対応惑星です。魔術・占いの際のイメージの補足、増幅、等にご利用ください。
ちなみに、ここで言う「惑星」とは、占星術的な意味での「惑星」ですので、月や太陽も惑星に含みます。以下、地球に近い順に解説します。
「月」
ルナ(Luna:ローマ)
月の女神。ローマに神殿があったがディアナに吸収される。
ディアナ(Diana:ローマ)
本来は樹木の女神。アルテミスと同一視される。農民から崇拝され、多産(主に人)の女神となった。
アルテミス(ギリシャ:Artemis)
ゼウスとレト(アポロンの母)の間に産まれた娘。アポロンの双子の妹。デメテルの娘という説も有る。うら若き美しい処女の狩人。動植物、子供の守護神。聖木は杉、聖獣は牝鹿。
セレネ(Selene:ギリシャ)
月の女神。動植物の繁殖と性生活に大きな影響力を持つとされる。また、魔力を表す。アルテミス、ディアナと同一視される。
「水星」
メルクリウス(Mercurius:ローマ)
ローマの商売の神。ヘルメスと同一視されている。5月15日に商人の祝日として祭られる。ゼウスとマイアの子。
ヘルメス(Hermes:ギリシャ)
アポロンから牛を盗むがその牛の腸で作った弦を張ったリラ(竪琴)を奏でるとそれをアポロンが欲しがったので贈り、弁償した。ヘルメスはまたシューリンクス笛を発明し、これもアポロンが欲しがったので黄金の杖と占術との交換でこれを譲渡した。これがkerykeion(拉caduceus)の杖である。
ゼウスの末子。マイアの子。商売、盗み、賭博、競技の保護者。竪琴(リラ)や笛、アルファベット、数、天文、音楽、度量衡(長さ、容積、目方)の発明者とされる。
旅人の保護神。夢と眠りの神で神々の伝達の使者。死者の霊魂を導く。富と幸運の神ともされる。知性と才能、伝達能力などを象徴する。象徴はケリュケイオン(アポロンより授かった伝令の杖)
「金星」
ウェヌス(Venus:ローマ)
英語ではヴィナス。「魅力」の意味。本来は菜園の女神。ギリシャのアフロディーテと同一視される。
アフ(プ)ロディーテ(Aphrodite:ギリシャ)
ギリシャの愛、美、豊饒の女神。ゼウスとディオネの娘。又はクロノスに切断されたウラノスの陰部から不死の精液が海に滴り、そこから産まれた泡(aphros)とされる。航海や戦争の女神としても崇拝される。ヘパイストスの元妻。愛人にアレスがいる。田園あるいは庭の女神。
アフロディーテの聖なる植物はミルト、バラ、けし、特に花梨。聖獣は鳩、白鳥、ツバメ、女神の戦車を引く雀。
「太陽」
ソル(Sol:ローマ)
ローマの太陽神。ギリシャのヘリオスと同一視される。ヘリオスとアポロンは同一視される。
アポロン(Apollon:ギリシャ)
ゼウスとレトの子。アルテミスの双子の兄弟。音楽、詩、医術、弓術、予言、家畜の神。光明の神。あらゆる知性、文化の象徴。立法、道徳、哲学の守護神。疫病をもたらし、かつそれを癒す神。聖木は月桂樹。象徴は弓。ヘルメスより授かった竪琴(リラ)。聖獣はイルカ。聖鳥はカラス。
ヘリオス(Helios:ギリシャ)
ティターン神族のヒューベリオンとテイアーの子。曙の女神エオス、月神セレネの兄弟。妻はオケアノスとテテュスの娘、ペルセー(ペルセーイス)。ヘリオスは壮年の美男子で、4頭の駿馬「ピュロエイス(Pyroeis)火の」「エーオオス(Eoos)曙の」「アイトーン(Aithon)燃え盛る」「プレゴーン(Phlegon)燃える」に引かれた戦車に駕し、毎朝エオスの戦車に先導されて世界を流れる大洋「オケアノス」の東方より出て、荒れ狂う馬を御しつつ快速で天空を横切る。
西方で再びオケアノスの流れに沈み、黄金の宮に入り西から東へは黄金の杯に乗り、オケアノスの流れに乗って再び東から出る。太陽の化身。(注:オケアノスは地理的な意味と神としての意味とを併せ持つ)
日本で言う「お天道様はお見通し」の言葉と同じく、誓言を立てる際、ヘリオスに誓う習慣があったらしい。
「火星」
マルス(Mars:ローマ)
ローマの軍神として「グラディウス(Gradi-vus:進軍する者)」と呼ばれる。彼の使いの聖獣は狼、聖鳥はキツツキ。ローマ建国の父「ロムルス」とその双子の兄弟「レムス」の父とされる。ギリシャのアレスと同一視され、その神話はアレスのものが、ほぼ適用される。3月と10月に祭られた。3月を「March」と呼ぶのはユリウス歴で3月を「Martius」すなわちマルスの月としたからである。季節柄、農耕の守護神ともされた。
アレス(Ares:ギリシャ)
ギリシャの軍神。ゼウスとヘラの子。一説ではアフロディーテの愛人。性格は兇暴で無計画。ならず者的存在。知性に破れる暴力などを表す。聖鳥はハゲタカ。
「木星」
ユピテル(Jupiter:ローマ)
ローマ神界の主神。ゼウスと同一視される。天空神。雷、雨、嵐、などの気象現象の神として古くから崇拝されてきた。
ゼウス(Zeus:ギリシャ)
ギリシア神界の最高神。天、昼、光、を意味するが、それは気象に関る現象を象徴する。あらゆる神の創造主。父親。ただし「父なる神」と言う場合、ここで言う父とは血の繋がりによる父ではなく、家長の意味の父である。他の神との関係は王と領主のようなものとなる。神々の保護者とも言える。象徴は盾、王杖、玉座、雷。聖木は樫(かし)。聖鳥はワシ。
「土星」
サトゥルヌス(Saturnus:ローマ)
ローマの古い農耕の神。ギリシアのクロノスと同一視される。ゼウスに王位を奪われた後、イタリアに来住。サトルニアという都市を築く。民に農耕と葡萄の剪定を教え、法を発布し民は太平を楽しんだという。
サトルナリアという祭りが12月17日より一週間催され、さまざまな贈り物が交換され、奴隷は特別の自由が許され、蝋燭がともされ、あらゆる愉快な遊びが催された。これがクリスマスの祭りの源と言われる。
クロノス(:ギリシャ)
天空神ウラノスと大地女神ガイアの子。ティターン神族の末弟。姉妹のレアを妻とした。後に父であるウラノスを倒し、世界の支配者となる。その後自分の子に倒されるという予言を聞いていたクロノスは自分の子供達を次々と飲み込むが、ゼウスだけは難を逃れ、飲み込まれた神々は後に薬によって吐き出され、壮絶な戦いが始まる。結局クロノスはゼウスに倒され、実権を奪われる。一方で、クロノスは黄金時代の王として人々に様々な幸をもたらしたとも言われる。収穫の時にはKroniaと呼ばれる祭りが行われ、奴隷は特別の自由が許され、無礼講の宴が催された。
参考文献:ギリシア・ローマ神話辞典/高津春繁:岩波書店、その他
追記
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