占いと魔法とオタク
幻想自警団通信文Z

緊張感と弛緩感

通常人間は<緊張感>を実感するが、<弛緩感(しかんかん)>を意識的に感じることは少ない。だが、<緊張感>をほぐすためには<弛緩感>を記憶して、それを常に身体感覚として再現できるようになっていなくてはならない。なぜならそれができなければその緊張が<弛緩>したのか、それともまだ<緊張>しているのかの判断があいまいになってしまうからである。実際、現代人は筋肉が緊張しているにもかかわらず、<弛緩感>を理解していないためにその緊張が正常なものだと勘違いをして全身または身体の一部を緊張させたまま生活している場合が多い。この生活スタイルが健康のためにも、精神的にも、非常に良くないことは言うまでも無い。

基本的に<緊張感>という感覚は筋肉の緊張を無意識的に知覚した状態である。ゆえに<弛緩感>は<筋肉の弛緩>によって得られると考えて良い。

以下に緊張感と弛緩感の<実感の仕方>を解説する。それを行って<緊張>と<弛緩>の感覚の違いを明確に記憶せよ。

術式

*手順*

  1. 手を軽く開き、手の甲を上にして腕を前方に真っ直ぐ伸ばし、手前、つまり自分の方に向かって手首を反り返らせる。
  2. 指をしっかり伸ばして手前に反らせ、前腕と指先が90度になるくらいまで反り返らせた時の前腕肘関節付近の痛みのようなものを体感し、その筋肉の状態を観察する。これが<緊張>であり、それに伴う感覚が<緊張感>である。
  3. 反り返らせていた手首を少しずつ前方に倒していく。その際に2で感じた筋肉の緊張が徐々に開放されていく感覚を観察する。これが<弛緩感>である。
  4. 更にその弛緩した前腕を内側から緩めるようにイメージし、<弛緩感>を更に強化していく。
  5. 筋肉の抵抗感が全く無くなったらその感覚を記憶する。これが基本的な<弛緩>である。この感覚をもとに、全身の筋肉をそれぞれチェックしてみて弛緩しているのか、緊張しているのか、確認してみると、かなりな部分が緊張していることに気が付くはずである。
  6. 以後、リラクゼーションを行う際は、<緊張感>と<弛緩感>を精密に知覚してそれぞれを制御せよ。

参考文献:動作療法(誠信書房)/成瀬悟策

以上である。

2005/3/12

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