幻想自警団式トランプ占いの方法
ここでは幻想自警団で使われる、トランプ(プレイングカード)占いの基礎的な知識を公開します。
基本的にはタロットと占星術の影響を受けた考え方を採用しています。
カードの意味(1)「スート(マーク)」のイメージ
スペード(spade)「理」
シャベル状の鍬(すき)、ノミ
切る、刈り取る、などのイメージから、論理的、分析、などのイメージを持ちます。
ハート(heart)「情」
心臓、心、胸の内、本心、心情、気持ち、愛情、情愛、情、同情、元気、勇気、気力、熱心、核心、真髄、要点、中心部、奥地
心臓は感情に合わせて動きを変えるので、人間の「情」に関わるイメージを持ちます。
クラブ(club)「生」
スカンジナビア語klubba(棍棒)より。clump(木立)は異綴り。棍棒、同好会、会(clump=木立=群がり立っている木=集団)。人々。
農耕具としての棍棒と言う意味と、木立の意味のクラブと、人が集まる意味のクラブなど、複数の意味がイメージされますが、全体で言うなら生物がワラワラと群生しているイメージではないでしょうか。そこから全体イメージは「生」としてみました。
ダイヤ(diamond・diagram)「実」
ダイヤモンド、ひし形、設計図、図表、図面、図形
鉱物としてのダイヤと、そこから来る形状としてのひし形のダイヤ、それから派生して作図した時にできるひし形を指して設計図や時刻表などの計画書など、複数の意味がイメージされますが、全体で言うなら土地計画から生まれる実りや物質全体を意味するイメージとして「実」を充ててみました。
カードの意味(2)「コート(宮廷)カード」のイメージ
わかりやすくするために、今だったらどういう職業になるのかを補足しました。キャラクター性を考えてみてください。
キング「プロデューサー」
筋道を立てる・見通しを立てる・実現させる・全体を司る
クイーン「ディレクター」
産む・形作る・育成する・まとめる
ジャック「アシスタント」
探る・調べる・求める・実行する
ジョーカー「自由人」
白紙・無知・愚行・可能性・成長・変化
カードの意味(3)「数字」と「対応惑星」のイメージ
数字については完全に古代ギリシャの哲学から拝借しています。基本的に地球からの距離順で並んでいます。伝統的な理由から太陽と月も惑星として組み入れています。基本的なイメージはギリシャ・ローマ神話なので、以下のページなども参考にしてみてください。
・古代の神々(ギリシャ・ローマ)
10(地球)「実・形」
プラトン哲学(諸説あり)では外宇宙から飛来する魂が地上で実体に宿るとされます。数字の10だけでなく、コートカードのジャックもここに配置します。ジャックと豆の木のイメージなど参考にしてください。
9(月)「産・写」
外宇宙から飛来する魂が惑星の配置された天球を突き抜ける際に、その惑星の性質が付加される、という考え方から、惑星(神々のシンボル、あるいは神そのもの)の性格が重視されました。月はその形状の変化から女性の出産(お腹の形状変化を月の形状変化になぞらえた考え方)や、太陽の光を反射するという意味でメディアなどの意味があります。まとめて「産・写」としてみました。
8(水)「知・報」
メルクリウスは今でいうインフォテク、いわゆる「IT」と考えるとわかりやすいです。その神が一番遠い世界から8番目(地球からは2番目ですが、魂は外宇宙から飛来するという概念から、遠い順に番号が付きます)にいるので8を司る神となります。
7(金)「美・感」
ヴィーナスは誰もがイメージしやすいのではないでしょうか。美と官能、それに付随する感情、女性的な感性などを表します。占星術的には財産を表すこともあるのですが、ここでいう財産とは、例えば人類の宝とか、芸術作品とか、そういう「美しい宝」であって、金庫の中の現金のことではありませんので注意してください。
6(日)「和・命」
太陽は命の与え主であり、生命力の源です。また、日和という言葉のあるように、人の心を守る力も持っています。ただし多寡(「たか」=多いか少ないかの配分)が極端になると人を滅ぼす力になるので注意してください。
5(火)「割・乱」
戦争の神があてがわれます。基本的には物事を分割し混乱させる破壊の数字です。ただし、破壊にも色々あり、無計画で無秩序な破壊は人を滅ぼしますが、例えば外科手術のように、計画的な破壊は人を救います。また、闘争から生まれる結論が人を進歩させることもあるでしょう。良く意味を考えてみてください。
4(木)「保・財」
4は四角形など、土地の境界のシンボルだったり、四方の極(魔術的東西南北)を表す守り神だったり、人類の守護や財産を表します。神のイメージは「保護者」です。保護者と財産、のようなイメージでしょうか。ここで言う財産は小金ではなく、大金や資産のイメージです。小金については水星、8の方がイメージが近いかもしれません。占った時のイメージで柔軟に考えてみてください。
3(土)「限・時」
古代の人々は災厄は地球から最も遠い惑星の神のせいであると考えたそうです。今のサタンのイメージが悪いのはそういった歴史からでしょうか。基本的には時間の神で、作物を育てた後それを収穫して殺します。神話では農耕的な意味ではサトゥルヌスが、時間的な意味ではクロノスなどが対応するでしょうか。また、土星の輪が首輪のイメージを持つため、奴隷、つまり人の行動を限定する力をイメージさせることもありえます。コートカードのクイーンはここに配置します。豊穣、生み増やす、女性の冷酷さ、魂に肉の枷(かせ)をかけて命に形を与える、などのイメージです。
2(黄道十二宮)「性(さが)・向」
最も外側の天球だと思われます。まず魂はここを通りぬけ、基本的な性質を付加されます。付加される性質は黄道十二宮か、十二星座の位置によって決まります。ここで魂の性質や方向性が決まるとされます。コートカードのキングはここに配置します。プロデューサー的能力と言えばわかりやすいでしょうか。
A(銀河)「現・出」
魂の生み出される母体です。エネルギーの根源的な出力装置のようなイメージでしょうか。一応「銀河」としましたが「宇宙」でもいいかもしれません。原初的概念、噴出する泉、萌芽直前の種、計画の基盤、などのイメージです。
カードの意味(4)「正位置」と「逆位置」
- ダイヤ以外のマークには上下がある。
- カードを見たときに逆さまのマークの数が多ければ逆位置、それ以外を正位置とする。
- マークの正逆が同じ数有るカードは全て正位置として扱う。
- コートカードも全て正位置として扱う。
- ダイヤの7だけは、真中のダイヤが下に有る場合のみ逆位置とする。
- 正位置はカードの肯定的な側面、または表向きの意味を表す。
- 逆位置はカードの否定的側面、または逆説的な意味を表す。
カードの切り方(シャッフル)
- まず「これから占いを始めます」と宣言する。
- 次に、占う内容を声に出して言う。
- 占いたい事柄を思い浮かべながら以下のようにシャッフルする。
- カードを普通に良く切る。
- カードを平らな場所に置く。
- カードを二つの山に分ける。
- 二つの山を手のひらで崩して右回りに円を描くように掻き混ぜる
- 一山にまとめる(立っているカードは右に倒し、横位置にまとめてから右を下にしてカードを縦に揃える)。
注意:
占いに限らず、何か作業をしてそれが終わった後には必ず「これで◯◯を終わります」と終了を宣言して意識を現実に戻してください。できれば初めと終わりに鎮魂の十拍を行い、作業中とそれ以外の魔術的時空間を区別するようにしてください。この区別ができないと、日常生活に魔術的イメージが噴出し、酷い精神的苦痛を味わうことになります。現実世界の意識が魔界に侵食されないように、十分に配慮してください。
参考:
・鎮魂の十拍
カードの並べ方
まずは「過去」「現在」「未来」の三枚だけで占って練習してみてください。具体的なやり方は以下の江戸いろは占いを参考に、カードをトランプに代えてイメージを組み合わせる練習をしてみてください。
参考:
・秘術 江戸いろは占い
三枚での占いに慣れてきたら、以下の並べ方で占う練習をすると良いでしょう。
- 現在:真中に置く。
- 鍵になる事:1の下に横向きに置く。左がカードの上になるように。
- 表向きの現状:1の上に置く。
- 隠れた事実:2の下に置く。
- 過去:1の左に置く。
- 近い未来:1の右に置く。
- 自分の立場:4の右、6より外に置く。
- 相手、周囲からの影響:7の上に置く。
- 結論の補足:8の上に置く。
- 結論:9の上に置く。
左の十字で現在を把握し、右の四枚で将来の結果を見る
占い方(カードのよみ方)の基本
カードは基本的に組み合わされたイメージを「熟語」として読んでください。
例えば「ハート」「8」「正位置」だった場合「情・水星・ポジティブ」のように熟語化し、質問の内容に合わせて意味を判断します。
例えば「お金が必要だが金策はうまくいくだろうか」という質問だった場合は上記のイメージの熟語から「情に関する何者かがお金を融通してくれる」という風に読めるわけです。おわかりでしょうか。
上記は一枚で占いましたが、これに時間経過とキーワードを付加して占えば、もう十分に実用可能なレベルの占術となります。ただし、その占いが当たるかどうかは、また別の問題だと考えてください。
占い方(カードのよみ方)の注意
正位置、逆位置についてですが、必ずしも逆位置が悪い意味、否定的な意味となるわけではなく、ケースによって読み分ける必要があります。例えばジョーカーの逆位置を「高い人生経験」と読んだり、ハートの7の逆を「現実的な視点」とか「リアリスト」などと読む事もできます。逆位置は「裏を返せば」という視点で、臨機応変に対応することを心がけてください。
占う際の注意
占いをする際の注意なのですが、上記は全て方法論で、的中率とは関係が無いことを自覚する必要があります。占いをする意味があると言えるのは、何か問題に遭遇し、自分一人の考えに寄掛りたく無い場合に他人の意見として占いの結果を参考にする、という場合です。占いで自分の視野狭窄をある程度緩和して、その上でどう行動するのかを自分の意思で決めるのが理想です。
占いは真実では無く、参考意見であること、これを忘れないように注意してください。決してカードの奴隷になってしまわないように、自分の希望、願望、意思は大切にしましょうね。